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その転校生は、
とても綺麗な顔立ちを
していた。
えりあしにかかる程度の
ストレートの黒髪。
どちらかというと
色白に思える綺麗な肌。
その肌が余計に黒目を
際立たせているー
瞳に適度にかかる
前髪から覗くその瞳は
まさにミステリアスでー
そんな瞳は、
黒目が全部は見えない程の
切れ長でスッとした瞳ー
クラス全員が
彼をぼうっと見つめ、
一気に黙り込んだ。
先生が笑顔で口を開く。
「今日から同じクラス
になります、
瀬津名 四季
(せつな しき)くんです。
じゃあ瀬津名くんっ、
何かひとこ…」
「……」
みんなが期待に
胸を膨らませていた
転校生登校の日ー
全く綺麗に、
そして全く一瞬にして
彼はその期待を裏切った。
「…席どこ?」
え、タメ語…?
私は疑問に思うも
その理由がわからなかった。
先生を見ると、
先程の笑顔は愚か
彼の瞳を見ながらも
顔の筋肉は硬直し
ひきつった表情を見せていた。
彼が座った席は、
なんと私の隣の席…!
私は緊張して彼の顔を見た。
すると、彼の冷静な瞳が
こちらを向いたー
「何見てんだよブス」
………な、
なんなのこいつー!!!?
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