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キーンコーンカーンコーン…
…ははは…
1時間目は何とか
無事に終わった…
あいつのせいで
変な緊張しちゃったよ全く…
と、私は奴に視線を
向けようとした瞬間、
耳を疑うような言葉が
飛び込んできた。
「喉乾いた。飲み物。」
奴は私の方を見て
淡々と言った。
「…は?」
「…コーヒーでいいや。ブラック。」
そういうと奴は欠伸をして、
黒いゆったりとした
セーターのポケットに
両手を突っ込み、
まるで眠りに入るか
のように俯いた。
…え…?いやいやいや…
訳わかんないし。
え、何これ。
転校して早々
休み時間に隣の席の
見知らぬ女の子に
こいつは飲み物を
買わせるわけ?
…え、うちは奴隷か?
こいつの何なわけ?
お互い何にも知らないだろーが。
沸々と私の中で
苛立ちという毒が
湯だっていく…
「ねえ。
ちょっとあんたさあ…」
気が付いた時には
私は既に奴の前に立っていて、
心で思ったままのことを
口にしてしまっていたー
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