第一章

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大切にされた物には魂が宿ると言われています。 「ホンッマどうしょうもないやっちゃなぁ~。間抜けやな、間抜け!」 それは世に言う九十九神ってやつで、そんなの「ぼ~や~よいこだねんねしな~」な感じの子供向けテレビ番組や「日本の妖怪」な感じの妖しい本にしか載ってないと信じていたのは産まれてからつい今さっきまでの十数年間。 「おい、女!何一人でぶつぶつ言うとんねん!人の話はちゃんと目見て聞く!」 神様……じゃない、えっと、……天国の――きっと天国に行っているであろう――海ちゃん……、何なんでしょう、この不思議生命体Xは……っていうかコレ生きてんの? 「言うても俺目ないんやけどな。それとも何や、お前は俺の存在を否定したいんか?時計が喋ったらあかんのか、あぁんごらぁ!?」 いやー!腕時計に舌巻かれて威嚇された!!舌無いくせに!! た、助けて海ちゃんーーー!! お、落ち着け私。 ここは一旦、数時間前に遡ろうじゃないか。
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