第一章

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本当は今年、サッカー部では原田君が部長になる筈だったんだけど、原田君が「部長になるぐらいならサッカー部を辞める」と言ったとかなんとか……。 それでもなかなかまとまったルックスをしているので、女子間を通して情報は結構回って来た。そりゃもう物凄い早さで。 「……桜庭奈央」 突然名前を呼ばれた。 「はひぃ!?」 ので、思わず返事が奇声に変わる。 「お前……」 彼の眉根に、元から深いであろう皺が更に深く刻まれた。 ひっ…………!! 「俺と付き合ってくれないか?」 「ごごごめんなさいなにか私が気を悪くさせるような事しちゃったみたいでごめんなさい助けて海ちゃんーーー!!!……って、え?」 付き合ってくれとか聞こえた気がしたんだけど……聞き間違い?と顔をあげると、私の瞳に映ったのは原田君の少し紅くなった顔。
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