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「俺と、付き合ってくれないか?」
あ、わざわざ言い直してくれた。
いい人だー。
……じゃなくって。
「今、何て言いました?」
「お前、俺にあんな恥ずかしい台詞を三度も言えと?」
私は目が点になる。
だって、え、私と付き合えって……
……ああ、そうか、買い物とかどっかに付き合えって事か。
うわ、私ってば自意識過剰。
私は恥ずかしさに頭を掻きながら笑い、私より幾分高い位置にあるその黒い瞳を見上げた。
「あ、ご、ごめんなさい、自意識過剰でした。 そっちの付き合ってじゃなくて、こっちの付き合ってですよね?」
「自意識過剰って何。こっちってどっち」
「いや、恋愛方面のやつだと思っちゃって……買い物とか?ですよね?」
にこにこと笑う私に、原田君は大きく溜め息を吐く。
あああ!?また失態しちゃったの、私!?
「あ~も~……一から説明しねぇと駄目なのか……!?」
「ご、ごめ、なさ……」
泣きそうになった私に、原田君は大きく息を吸い、言った。
「だぁかぁらぁ、……俺は、桜庭がすーきーでーす! そっちの意味で、付き合ってくれって言ってンだよ!!」
…………はいぃ!?
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