第一章

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「俺と、付き合ってくれないか?」 あ、わざわざ言い直してくれた。 いい人だー。 ……じゃなくって。 「今、何て言いました?」 「お前、俺にあんな恥ずかしい台詞を三度も言えと?」 私は目が点になる。 だって、え、私と付き合えって…… ……ああ、そうか、買い物とかどっかに付き合えって事か。 うわ、私ってば自意識過剰。 私は恥ずかしさに頭を掻きながら笑い、私より幾分高い位置にあるその黒い瞳を見上げた。 「あ、ご、ごめんなさい、自意識過剰でした。 そっちの付き合ってじゃなくて、こっちの付き合ってですよね?」 「自意識過剰って何。こっちってどっち」 「いや、恋愛方面のやつだと思っちゃって……買い物とか?ですよね?」 にこにこと笑う私に、原田君は大きく溜め息を吐く。 あああ!?また失態しちゃったの、私!? 「あ~も~……一から説明しねぇと駄目なのか……!?」 「ご、ごめ、なさ……」 泣きそうになった私に、原田君は大きく息を吸い、言った。 「だぁかぁらぁ、……俺は、桜庭がすーきーでーす! そっちの意味で、付き合ってくれって言ってンだよ!!」 …………はいぃ!?
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