第一章

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その瞬間だった。 誰も居ない筈の部屋から、かえって来る筈の無い返事がきた。 「あ~あ~、忘れっちまえ!!居らん奴に振りまわされとったら一生新しい恋なんてでけへんでぇ、女ァ!」 「いいよ、別に。私には海ちゃんが居るんだし。それにしても関西弁なんて久し振りに聞いたー。海ちゃん思い出すなぁ」 と、返事してみるはいいが。 ……今のは誰の声? 声がした方向は明らかに……、私の、腕。 「恋せよ乙女、早うあんな男忘れな、青春過ぎてまうで!?」 ってきゃああぁぁぁ!? と、と、と、時計が喋ったああぁぁ~~!?
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