救いの手

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孤独…… そんなのはもう慣れていた。 気付けば小学校の時から一人で、教室の隅にポツンと存在していた。 たまに、虐められることもあるけど、構ってくれているんだと、プラス思考に考えれば、あまり苦にはならなかった。 ただ…… 一番つらいのは、両親に対してだった…… 決して金持ちではない我が家にとって、三人もの兄弟を養うのは、どれほど大変なことだろうか…… あまり具体的な想像は出来ないが、両親と滅多に会えないことを考えると、その苦労さがひしひしと伝わってくる。 たまに会えた時に、 「学校はどう?楽しい?」 と、いつも聞かれる。 そんな両親に、虐めにあってるとか、友達がいないなんて、言えるはずもない。 だから俺は…… ただ、不器用に笑いながら…… 「うん…楽しいよ…」 と、答えるしかなかったんだ……  
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