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「今日は昨日覚えた公式の応用だったな。野木、25ページの問3を黒板に解け。他の奴らは、ノートに解け」
普通の学校だったら、どんな授業をしているのだろうか。
教師が例題を解いて見せて、練習問題を生徒たちに解かせる。
そんな感じか?
それだったら、どんなに楽なことか……
俺には予習なんてする暇もない。
予習なんかよりも、妹たちの方が大切だ。
けど、野木は……?
………!
もしかして、昨日のメールで時間割を聞いてきた理由って………
…………そうだとしたら、俺はどうやって野木にお詫びをすればいいのだろう。
あの野木のことだ。
予習だって毎回、欠かさずにやっているに違いない。
それがたまたま、今日数学があるかどうかを忘れてしまい、俺にメールで聞いてきた。
いつも話している女友達には、聞けない雰囲気があったんだろう。
俺が一人、考えを巡らせる中、野木は再び黒板の前に立っていた。
右手にチョークを握っていたが、その手は下がったままだ。
野木……
助けてあげたい……
俺の友達を……
………どうすれば………?
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