予感

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「隆一……? お前、正気か……?何でお前が西川なんかに……」 未だわからないといった感じで、食い下がる男子。 矢島はそんな男子に、少しキレ気味だった。 「憂は俺の親友だって、聞こえなかったのか……? あ?」 矢島がキレているとわかり、男子生徒は慌てて離れていく。 この一件で、矢島は怒らすと恐いということが証明できたな。 気をつけねば…… 「わりぃな憂。アイツ、普段から生意気でよ。カッコつけてるだけのバカなんだ。お詫びに今日の昼、おごるわ」 「え……?い…いい、いいっ!」 矢島におごらせるとか。 遠慮以外のナニモノでもないだろ。 「遠慮すんなって。よし……今日はきつねうどん! 決定な、いいだろ?」 くっ…… 断る訳にはいかないので、俺はブンブンと頭を上下に振った。 「よっしゃ。ん?もう授業終わりじゃねーか。あのババア、時計の見方わかんねぇのか……?」 いや、それはないだろ。 ビシッと心の中で突っ込みを入れておく。 もちろん、平手を斜めに出すのも忘れない。 「ババ……っと、あぶねぇあぶねぇ。先生ー、授業終わりー」 矢島がそう呼び掛けると、ババ……いや、先生は時計を確認した。 「あらやだ。ハイ、今日は解散っ!」 きたね。 なんで唾を飛ばしながら喋るんだ。 「うっわ、見たか憂! あのババアの水鉄砲!」 矢島も同じとこを見てたらしく、かなりひいていた。 「ああ……いつも喋ると、自動で発射されるんだ」 俺がそう言うと、矢島はニヤニヤしながら見てきた。  
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