82人が本棚に入れています
本棚に追加
/123ページ
「隆一……? お前、正気か……?何でお前が西川なんかに……」
未だわからないといった感じで、食い下がる男子。
矢島はそんな男子に、少しキレ気味だった。
「憂は俺の親友だって、聞こえなかったのか……? あ?」
矢島がキレているとわかり、男子生徒は慌てて離れていく。
この一件で、矢島は怒らすと恐いということが証明できたな。
気をつけねば……
「わりぃな憂。アイツ、普段から生意気でよ。カッコつけてるだけのバカなんだ。お詫びに今日の昼、おごるわ」
「え……?い…いい、いいっ!」
矢島におごらせるとか。
遠慮以外のナニモノでもないだろ。
「遠慮すんなって。よし……今日はきつねうどん! 決定な、いいだろ?」
くっ……
断る訳にはいかないので、俺はブンブンと頭を上下に振った。
「よっしゃ。ん?もう授業終わりじゃねーか。あのババア、時計の見方わかんねぇのか……?」
いや、それはないだろ。
ビシッと心の中で突っ込みを入れておく。
もちろん、平手を斜めに出すのも忘れない。
「ババ……っと、あぶねぇあぶねぇ。先生ー、授業終わりー」
矢島がそう呼び掛けると、ババ……いや、先生は時計を確認した。
「あらやだ。ハイ、今日は解散っ!」
きたね。
なんで唾を飛ばしながら喋るんだ。
「うっわ、見たか憂! あのババアの水鉄砲!」
矢島も同じとこを見てたらしく、かなりひいていた。
「ああ……いつも喋ると、自動で発射されるんだ」
俺がそう言うと、矢島はニヤニヤしながら見てきた。
最初のコメントを投稿しよう!