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などと悩んでいると、次の瞬間、チャリンという音と共に、入れたはずの五百円が出てきた。
今度は矢島も見ていたらしく、信じられぬ光景に、唖然としていた。
「何だコレ……」
矢島が固まりながら、出てきたものを指差す。
「何って……そりゃ五百円だろ……?」
あえての冷静な突っ込みを入れておく。
「それはわかってるっつーの」
矢島からも、冷静な突っ込みで返された。
「………だよな」
対抗する冷静な突っ込みが思い浮かばず、とりあえず肯定しておく。
「は……ハハッ……!」
どうやら矢島に、じゅんぐりと笑いの女神が舞い降りてきたようだ。
「ハハハハッ……!憂、この機械に好かれてんな…!」
やかましいわ。
機械に好かれるとか、どんな擬人法だっての。
「ま…いいか。とりあえず、五百円返すわ」
俺はリターンしてきた五百円を、矢島に返す。
が、矢島はニッと笑って、受け取ろうとしない。
「おいおい、これは憂のだぜ?ラッキーボーイ」
憂がyouに聞こえたのは無理もないだろう。
俺もその一人なのだから………
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