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俺は紙にメアドを書いて、野木に渡した。
「ありがと。今日、絶対メールするからね」
俺が軽く頷くと、野木は保健室にある時計を見て、慌てた様子で立ち上がった。
「あっ、もうこんな時間……!じゃ、メアドも聞けたことだし、私行くね」
「あ、ああ……」
野木は猛スピードで、保健室を飛び出していった。
野木がいなくなり、途端に静かになる保健室。
いつも俺がいる空間……
無音に包まれた中で、俺は再度ベッドに寝転がった。
なんか……
疲れた……
俺はそのまま、浅い眠りについていた。
キーンコーンカーンコーン…
チャイムの音で目を覚ます。
保健室には、俺以外誰もいなかった。
時計に目をやると、既に16時をまわっていた。
午後の授業……
全部サボっちゃったな……
ふと、机を見ると、何やらメッセージのような紙が一枚置いてあった。
【今回は大目に見るが、あまり授業をサボるなよ? 学生の本業なんだからな】
保険医の字で、そう書かれていた。
やれやれっと……
俺はバッグを取りに、教室まで戻ることにした。
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