救いの手

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教室にはまだ、クラスの半分足らずくらいの生徒が残っていて、俺はそいつらと目を合わせないように、バッグを取りに行く。 「西川…もう保健室は飽きたかぁ?」 「何でお前なんかが、この学校にいるんだか……」 「とっととやめちまえよ」 男子のざれ言と笑い声が聞こえる。 大して気にもせず、バッグを取った俺は、教室を出ようとした。 が、教室のドア付近に、3、4人ほどの男子がいて、通れそうにない。 「おいおい、授業サボったくせして、バッグ取ったらハイさよならってか?」 「調子こいてんじゃねーよ」 「前から気に入らなかったんだよな」 はぁ~…… 久しぶりに殴られる日か…… 殴られるのは構わないが、親に怪我を見られた時の、言い訳内容でいつも困るんだよな……… 俺はこの状況で、両親への言い訳内容を考えていた。 「どこからいく?顔か?腹か?」 「特別に選ばせてやるよ、西川くん?」 「ほら、とっとと答えろよ」 くだらない…… 殴りたきゃ殴ればいい。 それで気が済むなら、早くしてくれ。 「あんだよその目は………!」 ドカッ…! 「ぐっ……」 腹に一発、重いのを喰らった。 クラスに残っていた生徒の大半は、逃げるように帰り、また少し残った生徒は、このやりとりを笑いながら傍観していた。  
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