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私はおばあちゃんの古い箒と木製の円形の蓋のようなものを倉庫から出し、屋敷の裏に行って箒の藁を外します。
その藁を墓にする場所の隣に置いて火をつけました。
魔力のこもった藁から白く細い煙が、早朝の真っ白い空に上っていきます。
「おばあちゃん…ありがとう…」
煙が上っていくのを私はただ見つめていました。
数分後。
藁は灰になって残り、私は墓となる灰の隣に穴を掘り灰を入れ、いったん木製の蓋をして屋敷に戻りました。
おばあちゃんの部屋の化粧台の傍にある私の顔位ある綺麗な燈粋で出来た箱を開け、中から私の母のかたみだと言われたネックレスを出して箱を閉じ、持ってまた墓のところに戻ります。
木製の蓋を取り、灰の中に箱を入れて蓋をします。
上から土をかぶせて山のようにし、近くにあった綺麗な石を目印にして小さな墓を作りました。
この墓の作り方は幼い頃から教えられました。
魔女だっていつ死ぬかわからないと言われ…。
一度手を合わせて数分間黙祷しました。
思い浮かぶのは全ておばあちゃんの笑顔だけ…。
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