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黙祷を終え、私はまだおばあちゃんの事を気にかけながらも屋敷に戻り、学校へ行く支度をはじめました。
卒業も間近に迫っていて、練習も大詰めになっているので休むわけにはいきません。
私は支度を終えもう一度屋敷の裏の墓に行き
「行ってきます…」
と手を合わせながら呟いていつもより遅いですが、学校に向かいました。
いつものように静かな空気の中を歩き校舎へ。
教室に入るともう夜君は来ていました。
私はなるべくいつも通りにしていたのですが…
「…どうかしたか?」
私が座った途端、今日最初にかけられた夜君の言葉に、私は小さくピクッとしてしまいました。
私は隠す事は無いし夜君はおばあちゃんを知っているはずだから…と思い
「昨日の夜…私がスーパーで買い物行っている間に…おばあちゃん…寿命で死んじゃった…」
私はゆっくり…無表情で言いました。
元々感情が表に出ないおかげなのか、真剣なのが伝わったようで少し驚いていた夜君ですが
「そう…か…」
と言って本当の事だと理解してくれたようで…。
するといつもなら私をじっと見ている夜君は、珍しく前を向きました。
私が疑問に思うとスッと手が伸びてきて、私の頭にその手を置いて優しく撫でてくれました。
私は若干下を向いて赤面にならないように必死でした。
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