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時は過ぎ…昼休み。
私はまたお弁当を持って屋上へ。
すると30秒ほどで夜君がやってきて私の隣に座りました。
いつもの場所だけあったかい空気に包まれたかのような錯覚。
二人きりの静かな空間に響くかもしれない私の高鳴る心臓。
私はまだ開いていない弁当をよそに空を見上げておばあちゃんに向かって、心の中で笑みを浮かべながら…。
おばあちゃん…やっぱりこの人が好き…。
と言いました。
おばあちゃん…笑っていてくれるといいなぁ…。
そんな事を思っていたら少し首が痛くなってしまったので前に戻し、お弁当を開けます。
夜君はすでにあんぱんを半分まで食べていました。
私は箸を取り、いただきますと言って食べ始めました。
やっぱり夜君は無表情で無口で…。
それでも食べ終ったのに食べている振りをして待ってくれる夜君の優しさがどうしようもなく嬉しくて…。
好きとか愛しているとかでは表せないほどの溢れ出る気持ちに…おばあちゃんの言葉と言う名の蓋をして、自分の心と言う名の重石を置いて…。
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