第二章

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一通り智と話し終えたのか、聖は教室から出て行った。 「…じゃあ、とりあえず校舎を案内するよ。 付いて来てくれないかな?」 智が裕貴に向かって言った。 「あぁ、すまない。」 裕貴はおとなしく、智にお願いした。 それに智からは優しげな雰囲気を感じたから…。 信用するわけではないが、少しだけ安心した。 廊下に出て、裕貴は智の後ろに付いて行く。 智は一カ所ずつちゃんと説明してくれていた。 「ここが○○でここは××で……。」 けして記憶力は悪くない裕貴は智の説明を聞き、記憶して行く。 「…んで、ここが最後ね。 食堂だよ。 昼飯とかはここで食う生徒がほとんどかな? 時間は関係なしに利用出来るから…。」 そこは洋風なデザインが施されていて、食堂と呼ぶにはあまり相応しくなかった。 「階段を降りて突き当たりが食堂だな? 草野のおかげである程度把握出来たよ、ありがとな。」 明日から玩具にされる運命である裕貴にとって、智の今日の態度はありがたかった。 「どういたしまして。 …ねぇ、もしまだ時間あるならここで今から俺の話しに付き合ってくれない?」
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