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外には大粒の雨が滴り落ち東京タワーを音ならせている。
~春の新人芸術家展覧会~
新しい一歩を踏み出そうとしている新人の芸術家にはあまりに酷い天気だ。
その日莉子は1時を過ぎているのにベッドにうずくまっていた。
「莉子展覧会行くよ…?」
「見に行かないの?」
朝早くから支度が終わっている奈々はベッドに寄り添いながら言う。
「行かない…悪い。奈々一人で行って来て。」
…気持ちを知ってか奈々はあとは何も言わずに家をでていった。
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