70人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ
なんて自己嫌悪に浸っていると、石田が思い出したように口を開いた。
「そうだ俺、昨日発売した、ヤマダアキラの新刊、買ったんだぜ。帰りに本屋寄ってさ」
得意げな、どこか嬉しそうな顔。
恋をしてから、私には石田のどんな表情もかっこよく見えて、思わず胸が高鳴る。
きっと、これが『恋は盲目』ってやつなんだろう。
「え、本当?いいなあ~」
「後で貸してやるよ」
「いいの?!」
発売日に買ったばっかりで、新品で、発売されたばかりで、大好きな作家さんの本…私なんかに貸しちゃって、本当にいいの?
最初のコメントを投稿しよう!