好きだから

秘

だからこそ、私は、眼鏡をかけている自分の顔が好きだった自分を、それが自分の本当の顔だと思ってた自分を、学校では消した。

家にいる時だけ、学校の知り合いと会わない時にだけ、眼鏡をかけるようになった。

わかってくれる人だけわかってくれればいい。

眼鏡の私は、過去の私を知っている人だけ知っていればいい。

学校の人には、私が眼鏡をかけていた事を隠せばいい。

コンタクトなんて、どうせ黙ってればわからないんだから。

そう考えて、私は『女子をキモいとか言わない優しい人を好きになろう』と決めた。