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結局断り切れなかった私は、沙恵に服を貸してから2人でお店にやってきた。
オシャレな雰囲気の居酒屋を貸し切っているらしい。
入った途端、見覚えのある人からない人までとにかく人ばかり。
広めの店内に溢れんばかりの人達。
「さ、行くよ!」
沙恵はそう言うとすぐにカッコいい男の人が居る所へ行ってしまった。
仕方なく私は隅の空いている席に座る。
こういう場所は、苦手だ。
みんなそれぞれに楽しんでいて、こんなに大勢の人が周りに居ても孤独を感じてしまう。
多分、こんなに大勢の人が周りに居るから余計にそうなんだろうと思う。
「1人なの~?」
適当に近くにある物を食べたり飲んだりしていると、近寄って来た男がそう言った。
―ナンパかよ…。
心の中でそう言いながらも、無視する気にもなれずしっかりと返事をする。
「友達と来たんですけど―」
相手の顔をじっくり見て不思議に思う。
―どこがで会った事がある…。
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