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なんか昨日も全力疾走したよな…。
『このバスは星陽高校行きでございます。ご乗車の方は、お急ぎ下さい。』
「あっ!もうバス来てるー!待ってーー!乗りますーーー!」
『プシュー』
『ドアが閉まります』
はふー…またギリギリだぁ…。
危ない危ない。
明日からは余裕を持って行動しよ…。
…そういえば未来君、居るかな?
探してみよう!
え~と、昨日は奥の方に居たから今日も奥の方にいるかも!
相変わらずバスは空いていた。
おかげで案外早く未来君を見つける事が出来た。
未来君は窓を見ていた。
なんとなく私は未来君の隣に立った。
「おはよ!未来君!」
大きな声で挨拶は大事だよね!
「おう。おはよう。未瑠。」
…やっぱ、かっこいい!
今まで見てきた男の中でトップに入るかっこよさだよ!
「…ところで、未瑠は昨日の委員長決めで委員長になった?」
「……ふぇ?」
それ…今一番聞いちゃいけないよ…未来君…
「……うん…委員長になっちゃった…。…グスッ」
…うぅ…ショック過ぎてなんか涙出てきた…
「未瑠…?どしたの?」
未来君はオロオロしている。
「…うぁぁん!委員長なんてやだよぉ…!」
「…未瑠…」
『グイッ』
?
未来君は私の手首を引っ張った。
『キュッ』
いつの間にか私は未来君に抱き締められていた。
「バスん中でよく堂々と泣けるな…。少し泣き顔隠してやるから思う存分泣け。」
グズッ…優しいな…未来君は…
『ドクンッ』
…あれ?
今の…『ドクンッ』て何だろう?
…なんか胸の辺りがおかしい気が…
でも藍に抱き締められた時はならなかったのに…
…気のせいかなー?
気のせいだなー!
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