仮初めの 羽

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(あったかい…) 隣の席の女の子が、あたしの様子を見てひどく驚いている。 あたしは普段、おさわりを許したことがなかった。 『…』 しばらくあたしを抱きしめてくれていた克志は、ゆっくりと腕を離した。 代わりにあたしの手をとって、指を絡めてきた。 放心状態が解けるまで、少しかかった。
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