仮初めの 羽

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与えられたそれを、呆然と見つめるあたし。 あたしと、克志をつなぐ、この小さな機械--- 落とせば壊れてしまう、儚い存在は、まるであたしたちみたいだった。 『ありがとうございました』 克志を送り出し、更衣室へ向かう。 ロッカーを開けると、煙草の吸い殻が山ほどぶち込んであった。
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