カサノヴァ

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呆けたように、体を起こすことができないあたしを、克志はゆっくりと抱き起こしてくれた。 『煙草、吸うか?』 『それがいい』 あたしは克志の指に挟まれた煙草を見る。 克志は手のひらを、あたしの唇に当てて煙草をくわえさせてくれた。 『甘ったれやな、自分。』
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