教授と私

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何一つ、言わせては貰えなかった。 教授の奥さんは、私がマンションに住んでいると教授から無理やり聞き出すと、うちに来なさいと言う。 いわゆる、妾の娘の私を、教授夫婦が引き取ると、私の父親に伝えたらしい。 父親は、一も二もなく、その話を請けた。 幾ばくかの手切れ金は、確かに大金。 この先も続けて研究していくには、大切な資本になるだろう。 結局、自宅療養になった教授と、教授の奥さんである亜咲さんと三人で暮らしている。 この幸せがずっと、続けばいいのに… そう、願ってしまうくらいに、私は充実している。 教授の資産である研究の全てを受け継ぐ。 その覚悟はまだない。 けれど、私も学びたいことであり、教授のことは本気で尊敬している。 だから、私は出来る限りをしよう。 そう、決めた。
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