序章

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人は簡単に死ぬなんて言うものじゃないと、道徳の時間に教わった。 死ねば、楽しい事も嬉しい事もなくなるのだから…と言った先生の言葉を、僕は理解出来なかった。 元々、楽しい事も、嬉しい事もない人生なのだから… そう思いはじめると、死への恐怖感は急速に薄れていった。 死への恐怖感が薄まると、死は僕にとって魅惑的で甘美な魅力に溢れた存在になっていった。 僕は死に魅入られているのだろう… だから、死のうと思っている。 日々、死ぬ事だけを考えて生きているのだ。
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