99人が本棚に入れています
本棚に追加
下柳自宅
19:00
色々考えているうちに家の前に立っていた。
どれだけの時間突っ立てたのか?
それさえもわからない。
暗い…
雲が空を覆い、今にでも押しつぶされそうで、苦しい。
「うっ。」
また、吐き気がする。
戸に手をつき、口を抑える。
だめだダメだだめだ!!
家に入ろう。
一人だと、押しつぶされる。
さぁ、中に…
いつもの様に笑って…。
「ただいま。」
「お帰りなさい。」
妻が笑って僕を迎えて、
「パパお帰りぃ~。」
娘がニコニコしながら走って来る。
「おう!優ただいま。」
飛び付いて来た娘を抱き締める。
あぁ、僕は…
「パパどうしたの?」
ふと顔を上げると、娘は困った顔をしている。
「あなた?具合わるいの?大丈夫?」
「えっ?」
いつの間にか僕は泣いていた。
家いる、一人じゃない安心感に泣いていた。
「大丈夫だよ。大丈夫だから…。」
僕は、何度も繰り返してた。
それは、自分に言い聞かせた言葉だった。
最初のコメントを投稿しよう!