pain

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下柳自宅 19:00 色々考えているうちに家の前に立っていた。 どれだけの時間突っ立てたのか? それさえもわからない。 暗い… 雲が空を覆い、今にでも押しつぶされそうで、苦しい。 「うっ。」 また、吐き気がする。 戸に手をつき、口を抑える。 だめだダメだだめだ!! 家に入ろう。 一人だと、押しつぶされる。 さぁ、中に… いつもの様に笑って…。 「ただいま。」 「お帰りなさい。」 妻が笑って僕を迎えて、 「パパお帰りぃ~。」 娘がニコニコしながら走って来る。 「おう!優ただいま。」 飛び付いて来た娘を抱き締める。 あぁ、僕は… 「パパどうしたの?」 ふと顔を上げると、娘は困った顔をしている。 「あなた?具合わるいの?大丈夫?」 「えっ?」 いつの間にか僕は泣いていた。 家いる、一人じゃない安心感に泣いていた。 「大丈夫だよ。大丈夫だから…。」 僕は、何度も繰り返してた。 それは、自分に言い聞かせた言葉だった。
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