cigarette

2/2
99人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
警視庁 非常階段12階 17:00 日が傾き空は赤く染まって、風が少し冷たい。 非常階段に腰を下ろして、オレは煙草に火を付けようとした。 風が吹いて、なかなか火がつかない。 「さむっ!」 なら、こんなとこで吸うなってね。 でも、なんかここに居たかった。 あいつらの取り調べを見てられなかったから。 オレもあっち側に居たんじゃないかと怖くなる。 知りたくなかった事実。 失った友人。 許せないけど… 寂しい。 いっその事一緒にあっち側にいれば… 『カチッカチッ』 「クソッ!!」 『ガンッ』 手すりを蹴る。 でも、おもっきり自分の足が痛い。 「いったぁ。」 足を抱えて蹲った。 「いてぇ…。すげぇ、いてぇ。」 なんだか、痛すぎて涙が出た。 唯、痛くて出た涙 大人のくせに 格好悪い 痛い痛い どこが痛いんだ
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!