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警視庁
非常階段12階
17:00
日が傾き空は赤く染まって、風が少し冷たい。
非常階段に腰を下ろして、オレは煙草に火を付けようとした。
風が吹いて、なかなか火がつかない。
「さむっ!」
なら、こんなとこで吸うなってね。
でも、なんかここに居たかった。
あいつらの取り調べを見てられなかったから。
オレもあっち側に居たんじゃないかと怖くなる。
知りたくなかった事実。
失った友人。
許せないけど…
寂しい。
いっその事一緒にあっち側にいれば…
『カチッカチッ』
「クソッ!!」
『ガンッ』
手すりを蹴る。
でも、おもっきり自分の足が痛い。
「いったぁ。」
足を抱えて蹲った。
「いてぇ…。すげぇ、いてぇ。」
なんだか、痛すぎて涙が出た。
唯、痛くて出た涙
大人のくせに
格好悪い
痛い痛い
どこが痛いんだ
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