99人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
警視庁
男子更衣室
18:00
稽古を終え、シャワーを浴び、皆が帰り支度をしている中いつも芹沢だけは、皆が居なくなるのを最後まで待っていた。
誰よりも早く着替え、誰よりも遅く着替えるので、誰も芹沢の着替えを見た事がなかった。
「なんで、嫌なんだよ?別に減らねぇだろ。」
伊丹が芹沢に迫った。
「僕のは、減るんです。」
芹沢は、変な言い訳をする。
「わけわかんねぇ事、言ってんじゃねぇよ!」
当然、伊丹は芹沢を小突いた。
「いたぁ~。また手出す。」
小突かれた頭を撫でる芹沢。
「別に、いいだろ。芹沢だって嫌なんも嫌なんだよ。」
三浦がフォローする。
「でも、お前は待ちが起きてるのは、確かなんだよ!」
芹沢の着替えのせいで、二人は時間を取られた事が多々あった。
「それは…、すみません。」
「確かにな…。隠しておくより、言った方が楽かもしれないぞ。芹沢。」
三浦が諭すような声で、芹沢に言った。
少し考えて、芹沢はゆっくりした手つきで、胴着の前をはだけさせた。
脇腹には、痛ましい傷跡が残っていた。
二人は、黙る。
芹沢が口を開くのを待った
最初のコメントを投稿しよう!