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（田所家）
・・・家の前に、来たとたん、何とも言えないニオイがする。
気のせいか？
少し不安だが、インターホンを押してみる。
・・・・・留守か？
だが、玄関の奥から、何かを掻き分ける様な、音が聞こえてきた。
『ｶﾞｻ・ｶﾞｻ・ｶﾞｻ』
音が、だんだん近づいてくる。
しばらくして、玄関の扉が開いた。
次の瞬間！
『クサッ！』
『オエェ～！』
・・・・・！
一瞬、目の前が、真っ白になった。
ニオイと供に、小さな虫も、イッパイ飛び出てきた。
『誰？』
頭をかきながら、コキタナイおっさんが出てきた。
『・・・そ、そ、そのへんに来たモンだす』
セリフはもちろん、メチャクチャ。
『あー、あんたが、新しく越してきた人かね。』
しゃべりかけられるたびに、ニオイで気が遠くなる。
『あっ、これ使ってください』、洗剤を渡し、早期退散を試みる。
『すまんねぇ、まぁ、お茶でも飲んでいかんね。』
とんでもない事を言い出す。
『急いでいるので結構です』
すぐに、切り返す。
『あの家、色々あったから、安かっただろ。』
『・・・・⁉』
なぜ・・・なんだ、何の事だ。
『お茶飲んでいかんね。』
・・・・家の事が、気になった。しかたなく息を止め、ゴミ屋敷へ、入った。
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