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おっさんのボケに突っ込む余裕もなく、話を聞いてみた。
『12年前に、15年前の話、と聞いてたから、・・・・・エ~、だいぶ、かなり、昔の話じゃ。』
『その頃、あの家には、体の弱い老夫婦が住んでいたんじゃ。』
『ある日、おじいさんは、裏庭へ草刈りに、ばあさんは、洗濯機で洗濯してたんじゃ。』
(・・・・・。)
『ばあさんが洗濯をしていると、なんと、横の風呂場に、ドンブラコ、ドンブラコ、と大きな桃が、浮いてたんじゃ。』
『・・・すいません!あのぉ、それは、実話なんですか!』
あまりに真実性がないので聞いてみた。
『もちろん、本当の話じゃ!』
『おばあさんは、たまげておじいさんを呼びに行きました。』
『おじいさん~、おじいさん~、最後に入ったら、風呂の水、抜いててゆうたのに~。』
『どっか~ん!👊🎶』
『・・・ごめん。』
『冗談はさておきじゃ』
『その時の桃を食べたあと、種を裏庭に埋めましたとさ、めでたし、めでたし。』
(・・・なんだ?)
『だからなんなんですか!』
とっさに、言葉が出た。
『裏庭に、桃の木があるじゃろう。』
・・・そういえば、かなり大きな木があるな。
でも、それと家の値段がどう関係あるんだ。
『まだ気づかんか!その時、ばあさんは隣に、ヒノキも一緒に植えたんじゃ!』
『ヒノキ!』
(・・・確かに隣に生えている)
『だから、何なんですか!』恐る恐る聞いてみた。
『あんときのヒノキ』
・・・ハッ!
まっまさか。
このコキタナイおっさんはあれを言いたいのか!
『あんときのヒノキ』
『あんとにのヒノキ』
『あんとにおイノキ』
『アントニオ猪木!』
『万歳~!万歳~!』
・・・次のご近所へ行くことにした。
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