プロローグ

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今の季節は夏。誰がなんと言おうと夏である。 教室の外ではセミがやかましく鳴き、俺に尋常じゃない汗をかかせる季節だ。 そこで、少しばかり俺の置かれている状況を説明しておこう。 現在位置は教室だ。さらに付け加えると今は授業中である。俺はその授業中に居眠りをしていて、起きると同時にわざとではないにしろ教師に喧嘩を売った。 ちなみにもう一つ付け加えよう…… 今あっている授業は現国だ。それは大して問題ではないのだが、現国を教えている教師がよろしくない……。 鳩のように発達した胸筋。シャツがはち切れんばかりに太い腕。でかい顔に黒縁メガネ…。いかにも頑固そうなオーラ?を醸し出している。 まぁ一発殴られるパターンだわな。 はぁ…やっちまったよ。 俺が一人落ち込んでいると、隣の席の人物が小声で話しかけてきた。 「あんたバカじゃないの!?あいつの授業で居眠りするなんて!アホの極みね。」 俺の隣で超偉そうに毒舌を吐いているコイツは… 花園咲(ハナゾノ サキ)…俺の幼なじみだ。 髪の毛は黒のロングで腰の辺りまで伸びていて、かなりキューティクルな感じである。更に、才色兼備、容姿端麗、モデル体形。と三拍子そろっている。 幼なじみの俺が言うのも変ではあるが美人の部類に入っていると思う。まぁ取りあえず男にはもてまくるだろう。というよりも実際モテまくっている。 一日一人は必ず咲に告白をするという非現実的なことが発生してやがる。 しかし、咲には今まで一瞬たりとも彼氏が存在したことがない。 聞いた話によると、どうやら咲は全ての告白を断っているらしい。 何でだろな?凡人の俺には想像できないよ。
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