プロローグ

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時間はぶっ飛んで今は放課後だ。 HRが終わって、生徒たちはそれぞれの活動を始める。 部活に入っているやつは部活に、帰宅することが仕事の奴は、それぞれの家路に着く。 俺は、もちろん後者だ。 最初は運動部に所属していたのだが、 俺が想像していた活動には程遠かったからすぐにやめさせてもらった。 てなわけで、帰ることが仕事の俺は自分の通学かばんを持って教室をでる。 「ちょっと!待ちなさいよ!」 … 教室を出ようとするのだが、 ここでどういうわけだか、いつも咲に呼び止められてしまうのだ。 「なんでいつも置いて帰ろうとするのよ!? ちょっとくらい待ってくれたっていいでしょ!?」 息を少しだけ切らせながら咲が怒ったように言う。 「だって、お前いつも誰かに告白されるだろ? そんなのいちいち待ってらんないからな。」 さっきも説明したように、咲はほとんど毎日のように告白されている。 しかし、どういうわけか俺と一緒に帰りたがるため、 咲が告白を受けるときは必然的に俺も立ち会うことになってしまうのだ。 俺はこれがなんだか気に食わない。 なんでだろな? 幼なじみだからかな? 「わ、私だって好きで告白されてるわけじゃないのよ!? それに、告白なんかされてもOKする気なんて全くないんだから!! そ、それに一樹と一緒に帰ってたら、 その…私と一樹が付き合ってるって思って告白してくる人も少なくなるだろうと思ったのよ!」 ああ成る程な、だから幼なじみで一番話し慣れてて、一緒に帰りやすい俺と帰りたがってたのか。 なんだか納得だ。 そうでなければ、学校のアイドルが俺なんかと一緒に帰りたがる理由がない。 とか、ちょっと感傷に浸ってみる。 だがしかし、俺らしくないので却下。 「分かったよ。俺なんかで良いのならいつでも一緒に帰ってやる。」 まぁ、なんだか頼られてるみたいで気分いいしな…。
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