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集会が終わって皆が戻ってきた教室は、とても騒がしかった。
「そういえば……最近、八富士市内で連続失踪事件が起きてるって話があったな……」
クラスメイトの一人の小島よしおがふと漏らした言葉に、
「え?それは、単なる家出が重なっただけのものって聞いたよ?」
田中と山根が言い返した。
そんな状態の教室の中で、つるの、上地、野久保の三人は木下とスザンヌと一緒にいた。
「大丈夫?」
上地は、教室に戻ってきてからずっと泣いているスザンヌを心配していた。
「……っく……昨日……買い物に付いていけば…………」
涙声で言うスザンヌに、上地はそっとハンカチを差し出した。
「もしかしたら……本当に事件に巻き込まれたのかも……」
スザンヌの言葉を、木下は不安そうに聞いていた。
「だ……大丈夫だよ!多分、家出か何かだよ!」
必死で野久保が励ましていたが、それもほとんど空振りに近かった。
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