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放課後、五人はあいのりバスに乗った。
「おお、お前らか」
今田が五人に話しかけた。
「今田さん、今日はいつもと違う場所で降ります」
「どこや?」
「遊園地前です」
それを聞いてつるのの後ろの男子二人は何か納得したような顔をしていたが、女子二人はまだ不思議そうな顔をしていた。
「遊園地前~遊園地前~」
車内にそんなアナウンスが流れて、五人はバスを降りた。
この街には屋内型遊園地が一つある。その名も『ジャンプ遊園地』。屋内のために観覧車のような高さのいるものは無いが、メリーゴーランドやコーヒーカップなど多くのアトラクションがある。数年前までは遊園地の敷地を全部使って鬼ごっこ大会が定期的に行われていた。街中の子供たちが毎回集まっていたが、ある時怪我人が出てしまいそれ以来行われていない。
「ここって、来ると元気出ない?俺はいつも思うけど」
遊園地内のフードコートで木下とスザンヌに飲み物を奢りながら、つるのは言った。
「うん……この遊園地の雰囲気、楽しそうだけど落ち着くね。少し元気が出たよ。ありがとう」
スザンヌの言葉に上地と野久保は笑顔になった。
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