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「やっと笑った」
木下がほっとしたように言うと、
「うん!みんなが元気付けてくれたおかげだよ!」
スザンヌは笑顔で言った。
つるのと上地と野久保は少し照れていた。
「良かった。ところで……」
そんな中、木下は唐突に話を切り出した。
「まいちゃん、どこへ行っちゃったと思う?」
その場にいた全員が、黙ってしまった。
「多分……家出だって」
上地が励ますように言うと、他の三人も頷いた。
「正直、ゆきは違うと思う」
全員を見ながら、木下は言った。
「だって昨日の夜にいなくなって、もうすぐ一日たつんだよ?家出だったらそろそろ何か情報が入ってもいいんじゃない?」
「それはそうだけど……」
上地が言い返そうとすると、
「それにね、先生たちには言ったんだけど、実は昨日の夜遅くにまいちゃんから電話がかかってきたんだ」
「え?!」
全員が驚いていると、
「『助けて』って、一言だけで切れちゃった」
スザンヌはとてもショックを受けた顔をしていた。
「それで今朝、まいちゃんがいなくなったって話を聞いて、事件に巻き込まれたんだって気付いたんだ」
男子三人もショックで言葉が出なかった。
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