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「ノック!」
その時、上の階から野久保を呼ぶ声がした。
野久保が顔を上げると、つるのたち四人が非常階段を降りてくる所だった。
「田中と山根から聞いたよ。事件の事」
つるのが言った。
「そうですか……」
野久保はまた伏せてしまった。
「……」
「……」
そのまま、全員黙ってしまった。
丁度予鈴が鳴ってくれたので、皆は無理矢理話のネタを作らなくて済んだ。
放課後、五人は教室に集まっていた。
「これからどうする?」
木下が言った。
「……ついてきて」
つるのはそれだけ言うと、バッグを持って教室を出ていった。
他の四人も急いで後を追った。
五人は、あいのりバスに乗った。
「こんにちは」
爽やかな外人風の青年が運転席から挨拶をしてきた。
「あれ?金曜日のこの時間は運転手は今田さんじゃありませんでした?」
つるのが聞くと、
「いや~、それが急用ができたとかで今日はお休み。」
「それでウエンツさんなんですか」
つるのの言葉に、運転手は頷いた。
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