ザ・ベストハウス123

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五人はまたジャンプ遊園地に来ていた。 この遊園地は入場料は必要無く、それぞれのアトラクションに乗る時にお金を払う。 「みんなで乗らない?」 つるのが言った。 その結果、全員が持っているお金を使いきってしまった。 「ジュース買うお金も無くなっちゃった……」 上地が空っぽの財布を見ながら言った。 「はしゃぎすぎて疲れた……」 木下とスザンヌは近くのベンチに座っていた。 「……二人とも、ちょっといい?」 そんな二人に話しかけてきた人がいた。 眼鏡をかけた、従業員の服を着た若い男性だった。 「その制服、ヘキサゴン高校のだよね?なら、山本裕典って知らない?」 「山本裕典って……いなくなった?」 木下が聞き返した。 「……やっぱり、行方不明なの?」 そう眼鏡の男性が言った時、 「ふ~じ~も~り~!」 向こうから従業員が大声を上げながら走ってきた。 「あ!徳井先輩……」 「なんやお前、女子高生にナンパするとは、度胸あるな~」 「ち、違います!ナンパとかじゃなくって……」 笑顔で肩を叩いてくる先輩に、眼鏡の男性は首を横に振り続けていた。
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