ザ・ベストハウス123

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夜の学校、それも廃校になった高校というのは、何かが出そうな雰囲気で一杯だった。 その様子に初めに入る事を提案したつるのさえも、少し冷や汗をかいた。 「ノ……ノック、ここで一番幽霊が居そうな場所ってどこ?」 つるのは声が震えそうになるのを必死に堪えながら聞いた。 しかし、返事は帰って来なかった。 「ノック?」 つるのが振り向くと、野久保はじっと校舎を見上げていた。 「ノック!」 上地が近付いて強く野久保を揺さぶると、野久保は我に帰ったように上地を見た。 「ど……どうしたの、ノック?」 「何か……いたの?」 木下とスザンヌが恐る恐る聞いたが、 「いや、久し振りだなって思って」 野久保はそう言って歩き出した。 「いつも、さっきの門を通って学校に入ってたんです。それで、校庭の横を通って……」 野久保はかつて自分が歩いていた道をたどっていた。四人は野久保の話を聞きながら心配そうに後を追った。 「そして一号館の角を……」 校舎の角を曲がって、野久保と後からやってきた四人は突然止まった。 校舎の影に、人がいた。
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