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その場を静寂が覆った。
校舎の影にいる人は黒いスーツを着ているのが分かるが、顔は暗くて見えない。その人はなぜか校舎に向かって手を合わせて拝んでいた。
「誰……?」
なんとか木下が声を絞りだして聞いた。
しかし、返答は無かった。
「もしかして……ジャンプ遊園地のハンター?」
つるのが黒スーツを見て昔やった鬼ごっこを思い出し、聞いた。
「それは無いでしょ」
さりげなく野久保がツッコんだ。
「田村……先生?」
スザンヌが恐々聞いた。
「違いますね。もう一人の田村先生ですよね?」
野久保が一歩前に出ながら言った。
「もう一人?」
上地が後ろから聞くと、野久保が説明した。
「田村って名字の先生、二人いたんです。一人は死んだ金髪の先生、もう一人は……」
黒スーツの人が校舎の影から出てきた。黒縁眼鏡をかけた男だった。
「校長です」
野久保は静かに言った。
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