154人が本棚に入れています
本棚に追加
「校長?」
つるのが聞き返した。
「校長の割には結構若いね」
木下が言った。
確かに校長と聞くと大抵は老人を思い浮かべる。ヘキサゴン高校の島田紳助校長も五十代だ。しかし目の前の男はどう見ても三十代ぐらいだった。
「野久保か。久しぶり。その制服、ヘキサゴン高校のだよね。似合ってるよ」
五人は制服のままだった。
「でもここは立ち入り禁止なんだから入っちゃダメだよ」
校長は笑いながら注意をした。
「それを言うなら校長も一緒じゃないですか」
野久保が言葉を返すと、
「それは分かってるけど……」
校長は後ろを見た。五人がその視線を辿ると校舎の影に何かあるのが見えた。
「あれ、何ですか?」
上地がそう言いながら校舎の影に近付いた。
「行くな!」
校長が止めた。
「え?」
上地が止まると、校長がペンライトを取り出してつけた。
「うわぁぁ!!」
上地は飛び上がった。照らされた地面には大きな血痕があった。
「亮さんがここに倒れてた」
校長が言った。
「亮さん?」
つるのが聞くと、
「死んだ田村先生の名前です」
野久保が説明してくれた。
最初のコメントを投稿しよう!