ザ・ベストハウス123

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「校長?」 つるのが聞き返した。 「校長の割には結構若いね」 木下が言った。 確かに校長と聞くと大抵は老人を思い浮かべる。ヘキサゴン高校の島田紳助校長も五十代だ。しかし目の前の男はどう見ても三十代ぐらいだった。 「野久保か。久しぶり。その制服、ヘキサゴン高校のだよね。似合ってるよ」 五人は制服のままだった。 「でもここは立ち入り禁止なんだから入っちゃダメだよ」 校長は笑いながら注意をした。 「それを言うなら校長も一緒じゃないですか」 野久保が言葉を返すと、 「それは分かってるけど……」 校長は後ろを見た。五人がその視線を辿ると校舎の影に何かあるのが見えた。 「あれ、何ですか?」 上地がそう言いながら校舎の影に近付いた。 「行くな!」 校長が止めた。 「え?」 上地が止まると、校長がペンライトを取り出してつけた。 「うわぁぁ!!」 上地は飛び上がった。照らされた地面には大きな血痕があった。 「亮さんがここに倒れてた」 校長が言った。 「亮さん?」 つるのが聞くと、 「死んだ田村先生の名前です」 野久保が説明してくれた。
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