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この日つるのは、いつもよりも早く起きた。
この時間なら、一本早いバスに乗れる。
そう考えながら、つるのは学校へ行く支度をして、家を出ていった。
バス停で待っていると、ピンクの車体のバスがやって来た。
このバスは『あいのりバス』と言って、ここ八富士市内を回っているバスだ。つるのの知っている限り、このバスの運転手は二人しかいない。一人はアメリカ人とのハーフの男性、もう一人は、
「お、つるのやないか。今日は早いなあ」
魚顔と呼ばれている、今田という名前の人だ。
「おはようございます!」
つるのはいつも通り、元気に挨拶をした。
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