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講堂に全校生徒が集まってすぐ、壇上に島田紳助校長が現れた。
「皆さん、よく聞いてください。昨晩から、二年A組の里田まいさんが行方不明になっております」
上地たちのクラスメイトが騒ついた。
「静かにして!」
校長の怒った声で、講堂は一気に静かになった。
その後、校長はいくつかの注意と連絡事項を話した。
「以上!」
そう校長が叫んで話が終わると同時に、また生徒たちが騒ぎ始めた。
「まいちゃん、どうしちゃったんだろう……」
そこら中からこんな声が聞こえてきた。
「そういえば、いつもまいちゃんは優樹菜ちゃんとスザンヌちゃんと一緒に帰ってたよね?二人とも何か知らない?」
後ろからこんな声が聞こえてきて、野久保は振り向いた。
同じクラスの田中と山根が、木下とスザンヌに話しかけていた。
「それが……昨日に限って、ゴメン二人で帰ってって」
木下が言うとスザンヌも暗い顔をしながら頷いて、
「うん……ノートを買うために駅前の文房具屋へ行くからって……」
「それで学校で別れたんだ……」
山根の言葉に木下とスザンヌが頷いた。
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