枝折戸

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死んだはずの猫が鳴くはずがない。落ち葉がこすれ、カサカサと音を立てて嘲笑う。 和枝が家に入ろうとすると、玄関には回覧板が立てかけてあり、レシートの裏に書いたメモがつけられていた。 ― 回覧板お願いします。柴田さん忙しいでしょうから、他のお宅に先に回しておきました。お宅が最後ですので、またうちに戻して下さい。 あとこのごろチビちゃん見掛けないけど、元気かしら?― 猫は死んだ。私が殺したのだから。チビは私が殺した。
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