始まりの日

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千緒は縁側にゴロリと横たわる。 すると視界に、空から舞い散る何かが映った。 「……何だろ」 起き上がり、歩いていって拾い上げてみる。 真っ白な羽根だ。 一点の汚れもなく、さらに輝いているようにも見える。 「綺麗……」 呟いた、そのとき。 「お前、その羽根が見えるのか?」 偉そうな声がどこかから聞こえ、思わず辺りを見回す。 だってここは家の庭。垣根も高くて、外からじゃあたしは見えないはず。 「上だよ」 言われて、空を見上げた。 すると、 「っうわああぁっ!?」 「うるせぇなぁ。もっと可愛らしく叫べねぇのかよ」 空から、男が降りてきた。 光を反射して輝く金色の髪に、蒼い目。肌なんか、うらやましいくらい真っ白だ。 まるでどこかの外国人モデルのように、整った顔、高い身長。 そして極めつけは、背中から生えた、真っ白で大きな翼…。 まさか、この人…! 「いやあああっ!! 変質者が空から降ってきたぁっ!!」 思わず叫ぶ。
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