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「はぁ……。あんたたちってどこまで信じていいのか分かんないわ」
千緒がため息まじりに言うと、天が意外そうな顔をした。
「信じてんのかよ?
あれだけ言ってたくせに」
「何、嘘なの?なら大した妄想力だわ」
「嘘じゃねぇけど。
……え、リアルに信じてんの?何で?」
天は真剣な顔で千緒に尋ねた。
あまりの急な変化に驚いているのだろう、半信半疑と言った感じで千緒に詰め寄る。
「何でって……あんたたちがあたしを疑ってどうすんのよ」
千緒は不満げに眉を寄せた。
「あたしだってバカじゃないわ。
傷が治ったり、急に元気になったりしたら、あんたたちが普通の人間じゃないってことは分かるわよ。
それに、あのレオって人……」
千緒は唇を噛み締めた。
「…………本当に怖かったの……。触られてもないのに、首を絞められてるみたいに息苦しくて、ホントに死ぬのかと思った」
だから、と千緒は笑った。
「助けに来てくれてありがとう。
私、恩は返すわ。何かしてほしいことってある?」
ニッコリと笑った千緒を初めて目にした陸は、呆然と見とれた。
やがて我に返ってニコッと笑い返す。
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