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「ちょっ…何言ってんのよ!!ダメに決まってるでしょ!?」
「何でだよ」
「だってあたし、一応女の子の一人暮らしなんだから!!
それに家計だって余裕ないのに!!」
「僕たちは社会人なので、家計の助けになると思います。自分と貴女一人くらいは養えますよ」
「そういう問題じゃなくて!!
ていうか、シロナも住むつもりなの!?」
千緒が混乱ぎみに叫ぶと、クロロは大きくため息をついた。
「あのなぁ、レオの狙いはこの家だぞ?家で一人でいる間に襲われない保証はない」
「え…………、でも襲われたことはないよ」
「それは俺が力使ってずっとガードしてたからだ。
だけど疲れるし、自分で守れるなら越したことはない。
ここにいると俺ら自然に回復できるし」
「僕らがここにいる限り、あいつらは貴女を襲えません。
一石二鳥なんですよ」
クロロに加えて、シロナまでそんなことを言う。
「助けてもらった恩は返すんだろ?」
千緒はグッと言葉に詰まり、やがてヤケのように声を張り上げた。
「もう分かったわよ!!」
千緒がそう叫んだ瞬間、天は拳を突き上げて叫んだ。
「よっしゃあ!!家賃が浮くぜ!!」
「よかったです、住むところができて。
出張先で聖域に住めるなんて神に感謝しなければ」
……お互い住居に関して何かしら悩みがあったのだろう。
それが解決できて、二人とも手を叩いて喜んでいる。
「はぁ……」
ていうか、今勢いで叫んじゃったけど、取消あり?
冷静に考えれば、おかしいって、恩の返し方。
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