黒と白と黒

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夢を見ていた。 真っ暗な闇のなかに、直径2メートルはありそうな銀の円柱がいくつも立っている。 根本の見えない、高さが不均等なそれの上にあたしは立っていた。 銀の柱は冷たく、無機質だ。 その場所は音ひとつなくて、あたしの呼吸音が妙に大きく聞こえる。 いきなり、あたしが立っていた柱が消滅した。 手を伸ばしてもここにいるのはあたしひとり。 あたしは重力に従い、下に落ちようとしていた。
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