春のこと

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「あ、大地も同じクラスなんだ」 珠美の朗らかな声に私はふと振り返る。 大地。 聞いたことのある名前、珠美と同じ小学校からこの中学に入った、卓球部員の男子だ。 振り向くと、目が細くてニキビ面、おまけに心なしかぽっちゃりとした体型の男子が珠美と楽しそうに話していた。 あれが大地か、なんて思いながら、私は一人席に着き、頬杖をついて目を閉じた。
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