1章彼の名は正義!

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あっという間だった。 豪快かつ華麗なる剣技により、ゼアーキャットの体は一瞬で真っ二つにされた。 斬られた体は黒い煙のように消えて行った……。 「どんなもんよ!」 メルの緊張が解かれた、刹那! 「メル!!」 シリアの悲鳴のような叫び声が聞こえて来た。 咄嗟に振り返ると、そこには今にもその鋭い牙でメルに噛み付こうとするゼアーキャットがいた。 「まずい……。」 大振りな剣はこの時は重く、とても間に合わない。 メルは咄嗟に鎧の手甲で身構えた。 「………?」 だが、いくら待っても必殺の一撃は来ない。
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